はじめに
『ワイルドアームズ クロスファイア』は、シリーズの系譜の中でも異彩を放つ作品です。
舞台は乾いた荒野ファルガイアの新たな時代。
RPGからシミュレーションRPGへと舵を切り、戦略とドラマの融合を実現しました。
戦争、国家、家族───それぞれの後継をテーマに描かれる物語は
単なる戦いの物語ではなく、「何を守り、何を受け継ぐか」をプレイヤーに問いかけます。
携帯機でありながら、壮大な群像劇と緻密な戦略性が両立した本作は、
シリーズのスピリットを継承しながらも新しい挑戦を示した、まさに革新のワイルドアームズといえるでしょう。
ゲームの基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| タイトル | ワイルドアームズ クロスファイア |
| 発売日 | 2007年8月9日 |
| 対応機種 | PlayStation Portable(PSP) |
| ジャンル | シミュレーションRPG |
| 開発元 | メディア・ビジョン |
| 販売元 | ソニー・コンピュータエンタテインメント |
ゲームシステムと特徴
⚔️ ターン制+高さの概念を取り入れた戦略バトル
本作の戦闘は、シリーズ初のシミュレーションRPG形式。
ユニットごとに「行動順」や「高度差」が存在し、地形や位置取りが勝敗を大きく左右します。
高低差を活かした戦略や、敵の行動範囲を計算する頭脳プレイが求められる点が、従来のRPGとは一線を画しています。
💫 ヴァリアブル・クラスチェンジシステム(VCS)
キャラクターごとに複数の職業(クラス)を習得可能。
「ファイター」「ガンナー」「メイジ」などの基本職に加え、物語進行で得られる特殊職も登場します。
戦闘前に装備とクラスを自由に切り替えることで、戦局に合わせた柔軟な戦略が可能です。
🔫 アームズとフォースの融合
ワイルドアームズ伝統の「ARM」が、スキル発動システムとして戦略に組み込まれています。
各武器やアビリティに固有の特性があり、フォースゲージを消費して強力な必殺技「Xスキル」を発動。
戦略の駆け引きに、シリーズらしい荒野のガンアクションが見事に融合しています。
🔮 ギルドシステムと依頼クエスト
本作では、各地のギルドで依頼を受けることによりサブシナリオや報酬を獲得可能。
戦闘を重ねて仲間のジョブを成長させたり、レア装備を入手できるサブ要素が豊富です。
クエストごとに異なる地形や敵編成が用意されており、戦術を試す戦場パズルとしても楽しめます。
🧭 ファルガイアの新しい姿を描く世界観
舞台となるのは、シリーズおなじみの惑星「ファルガイア」ですが、今回は戦乱の時代。
国家間の陰謀や民族紛争など、より現実的で重厚な政治ドラマが展開されます。
後継者というテーマを軸に、前作までの神話的世界観を引き継ぎながらも新しい時代を感じさせる構成です。
攻略・プレイのコツ
⚙️ ジョブとスキル構成を計画的に育成しよう
ワイルドアームズXFでは、クラス(職業)を自由に変更できるヴァリアブル・クラスチェンジシステムが肝。
ただし、クラスごとに能力値の伸び方や装備適性が大きく異なるため、場当たり的に育てると詰みやすいです。
序盤は「ファイター」や「スカウト」でスピードを重視し、
中盤から「エレメンタルマスター」「セイヴァー」などの高位職を目指すのが安定。
💡 ポイント: 序盤は「移動力」「高さ差」を意識して行動すること。崖上を制する者が戦場を制します。
💣 高低差と地形効果を最大限に利用
本作の戦闘は高さ・位置・方向がすべて命。
敵より高い位置に陣取ることで命中率・回避率が上昇し、逆に下から攻撃すると被ダメージが増大します。
飛行系ユニットは高低差無視の移動が可能なので、探索や奇襲に最適。
💡 ポイント: 「敵の背後を取る」「落下ダメージを狙う」「狭い通路で迎撃する」など、地形を味方につけよう。
🧪 クエスト報酬でレア装備を確保
ギルド依頼を積極的にこなすと、強力な装備やジョブ専用素材を入手できます。
特に後半のクエストでは、ストーリー中では手に入らない「属性耐性ARM」や「リミット解除装備」が入手可能。
同じクエストでもクリア条件を変えることで報酬が変化するため、周回プレイも推奨です。
💡 ポイント: 依頼報酬一覧を確認してから挑むことで、効率的に強化素材を集められます。
🔥 フォースゲージの使いどころを見極めろ
戦闘中に攻撃・被弾で溜まるフォースゲージは、切り札「Xスキル」の発動トリガーです。
ボス戦ではゲージを温存し、仲間の支援スキルと合わせて一気に畳みかけましょう。
また、特定の職業はXスキル発動中のみ必中効果を得るため、最終局面では重要な決め手になります。
💡 ポイント: 通常戦闘では温存、ボスや精鋭戦では一斉発動──このメリハリが勝敗を分けます。
登場キャラの紹介
👑 クラリッサ・アウィル (Klarissa Avir)
本作の主人公。アレクシア王女に瓜二つの姿をしている。
母親の敵であるルパートとイスケンデルベイを追い、エレシウス王国を旅する途中で
自らがついた「嘘」から建国騎士団「ブランクイーゼル」を率いていくことになる。
若くして過酷な重圧を背負うが、周囲には明るく振舞う感情豊かな性格である。
亡き母親・メリッサから、いつしか世界の荒廃を食いとめ「豊穣の地」へと導くという夢を受け継いだ。
⚔️ フィアース・アウィル (Firs Avir)
クラリッサの母親であるメリッサに救われた恩から、クラリッサの身を守るため、彼女の行く所に常に付き従っている。
寡黙で誰に対しても無愛想だが、根は他者を思いやれる優しい人物。
義理堅く一途であり、自分の信念を果たすことに全力を尽くす。
決して感情や表情には出ないが、その奥には静かに燃える闘志を秘めている。
実はファルガイア出身ではなく、エルゥボレアという異世界の人間である。
🎭 ラブライナ・ワーズワース (Labryna Wordsworth)
元・エレシウス王室付の魔術師。
現在はテロリストとして扱われ指名手配となっている。
非常に博学であり、軍事面では専門家ではないが、ラブライナの助言はブランクイーゼル最大の武器となっている。
知識の深さもさることながら頭の回転も速く、裏に隠された真実に気付くような鋭い洞察力も併せ持つ。
だが、レヴィンのお世辞を素直に受け取ってもっと誉めろと言ったり、
やたら自分の年齢を強調したりなど、どこか間の抜けた雰囲気を漂わせている。
🧙♂️ レヴィン・ブレンテン (Revin Brenten)
エレシウス貴族の子息で、ラブライナより魔術を教授されていた。
魔術の才能が無いと自覚しており、長所である俊敏さや身の軽さをベースに独特の戦闘スタイルを身に着けた。
ヒーローに憧れているが、一人で突っ走りすぎて裏目に出てしまうこともある。
王国騎士団長アイゼンの息子だが、意見衝突が原因で勘当処分を受けてしまうことになる。
アレクシア王女に淡い恋心を抱いており、アレクシア王女だと思っていたクラリッサと、
生きていたアレクシアへの想いに揺れ動く多感な年頃。
🦅 ログナー・ブリッツレーブレット (Logner Blitzleibrett)
鍛え上げられた逞しく頑健な体格を誇る傭兵。
言動の端々にどことなく洒落た雰囲気を感じさせ、育ちの良さもうかがわせる。
常に紳士的、かつ丁寧な態度を崩さない。
危機には柔軟に対処し、その中でも自分のスタイルを通す余裕は忘れない。
かつてエレシウスの侵略によって家族と国を奪われ、傭兵団に拾われ育てられた過去を持つ。
👸アレクシア・リム・エレシウス (Alexia Rium Eleusinius)
エレシウスの第一王女。
クラリッサと瓜二つの姿をしている少女。
約一年前、深山に仙草を摘みに赴いた際、崩落事故に巻き込まれ、砂の下に消えてしまう。
崩落事故はエグララグによって仕組まれた物である。
実は事故に巻き込まれながらも生きており、
シャルトルーズを牽制するための切り札としてエグララグによって幽閉されていた。
ストーリーとあらすじ
🌍 異世界の崩壊と二つの運命
異世界エルゥボレアの魔王ベリア・ルゴスを、12人の勇者が討ち果たした。しかしその中の一人、クレッセンは魔王の力に魅入られ、新たな魔王の座を狙う。裏切りにより次元航行竜機ロンバルディアは大破し、仲間のフィアースは脱出ポッドで荒廃した惑星ファルガイアに落ちる。そこで彼は大地を蘇らせようとする女性メリッサと、その娘クラリッサに出会い、失われた記憶の遺跡を求めて旅立つことになる。
🕊 失われた剣と嘘から始まる革命
母メリッサは裏切り者ルパートに殺され、聖剣イスケンデルベイを奪われてしまう。剣を取り戻すためにクラリッサとフィアースはエレシウス王国へ向かうが、病に倒れた王の代わりに元老院が国を支配していた。街で人々を救うため、クラリッサは「自分は死んだ第一王女アレクシアだ」と嘘をつき、民を鼓舞。仲間のレヴィン、ラブライナと共にブランクイーゼルを名乗り、圧政に立ち向かう決意を固める。
⚔ 陰謀、血筋、そして過去への旅
戦いの中でクラリッサは、本物の第一王女アレクシアが生きていることを知る。
元老院の儀式「柩の牙の儀」を阻止するため動くが、儀式の暴走に巻き込まれ、クラリッサたちは14年前の過去へ飛ばされる。そこで彼女は母メリッサと再会し、自分が王家と竜の血を継ぐ者であることを知る。
そして敵の黒幕、クレッセン(ヴァイスハイト)が過去から暗躍し続けていた真実が明らかとなる。
🌅 二つの世界を越えて、命を賭けた再生
復活したクレッセンの暴走で、異世界とファルガイアの次元ゲートが崩壊を始める。
クラリッサたちは竜機ロンバルディアを修理し、両世界を救うため最後の戦いへ。
恐怖そのものとなった災厄獣との死闘の末、クラリッサと仲間たちは希望の光を取り戻す。
そして、フィアースはゲートを閉じるために命を懸け、「俺は大切なものを守りきった」と言い残し空へ消える──。
物語の展開と結末
⭐ 運命の再会と真実の姫
崩壊を免れたクラリッサは、空を見上げてフィアースの名を呼ぶ。
世界は救われたが、彼女の胸には失った者たちへの痛みが残る。
しかし、彼女の中でアレクシアの魂とメリッサの願いが一つになり、未来を導く王女として覚醒する。
🌿 残された者たちの選択
ラブライナとレヴィンは国の再建に奔走し、アレクシアは亡き父の遺志を継いで王国を立て直す。
戦乱で荒廃した大地を再び緑に戻すため、クラリッサはトニーと共にユグドラシルシステムを探す旅へ。
彼女の背中には、失われた世界を再生させる新たな希望が灯っていた。
🔥 罪と救い、そして祈り
ヴァイスハイト=クレッセンが追い求めた「完全な力」は、恐怖と破壊しか生まなかった。
しかしクラリッサはその力を愛と勇気で打ち砕き、ファルガイアとエルゥボレアの未来を繋ぐ。
その姿は、母メリッサが願った人と竜の共存の象徴そのものだった。
🌈 永遠の空へ
エンディングでは、青空の下でクラリッサが微笑み、ロンバルディアの残光が空を駆ける。
彼女は静かに呟く──「また会えるよね、フィアース」
その言葉に応えるかのように、一筋の光が天を貫き、物語は静かに幕を閉じる。
感想・評価
🌟 高く評価されたポイント
- シナリオの完成度が非常に高い:シリーズ随一と評される重厚な政治劇と親子・血の宿命をめぐるドラマが高評価。
「偽りの王女」「革命」「過去改変」「親子の再会」など、群像劇的な展開が巧みに絡み合い、プレイヤーを引き込む構成になっています。 - 戦略性の高いSRPGシステム:高さや方向を重視した立体的な戦闘、クラスチェンジの自由度などが戦略ゲーマーにも好評。
特に「職業構成+地形利用」の奥深さは、ワイルドアームズらしからぬ本格派として注目されました。 - クラリッサのキャラクター性:女性主人公としての強さと優しさが両立し、シリーズの新たな象徴として人気を獲得。
「嘘から始まる真実」というテーマが、彼女の成長物語と見事に噛み合っています。 - 音楽と演出の一体感:なるけみちこによる壮大で哀愁あるBGMが、戦闘や感動シーンを際立たせ、物語の世界観を支える名演出と評価されています。
🤔 一部で指摘された課題点
- 難易度バランスの厳しさ:中盤以降、マップ構造や敵配置が非常にシビアで、詰みやすいとの声も。
クラス育成や戦術理解が不足しているとクリア困難なケースが多く、カジュアル層にはやや不親切とされました。 - ストーリーの情報量の多さ:政治的陰謀・血筋・時間移動など、要素が多すぎて途中で整理が難しくなる場面も。
特に後半の過去編や終盤の展開はテンポが急ぎ足になり、置いて行かれるプレイヤーもいたようです。 - 演出の制限(PSP由来):携帯機ゆえにボイスやムービー演出が控えめで、ドラマ性が完全に活かしきれていない部分も指摘されました。
🗣 プレイヤーの声
- 「SRPGとして練りこまれた戦略性が神レベル。ワイルドアームズの名を冠する意味が分かる。」
- 「クラリッサが嘘をつくシーンで涙した。強くて優しい女性主人公は貴重。」
- 「難しいけど、乗り越えたときの達成感はすごい。ストーリーも大人向けで満足。」
- 「終盤のフィアースの別れの演出が切なすぎる。シリーズ屈指の名ラスト。」
まとめ・今から遊ぶ人へ
『ワイルドアームズ クロスファイア』は、シリーズの原点である荒野のロマンを新たな形で昇華した作品です。
物語は「嘘」「絆」「再生」を軸に、クラリッサという一人の少女の覚醒と、人々が未来へ進むための希望を描いています。
戦略性の高さと、文学的ともいえる脚本の完成度が見事に融合した一本であり、
SRPGとしても、ドラマ作品としても非常に濃密です。
🎮 こんな人におすすめ!
- 戦略的なSRPGが好きで、難易度の高い戦闘に挑みたい人
- シナリオ重視で感情的なドラマや政治的駆け引きを味わいたい人
- 強く、美しく成長する女性主人公の物語が好きな人
- 『タクティクスオウガ』『FFT』のような硬派なシミュレーションが好みの人
最期にクラリッサが見上げる青空───
その一瞬に、プレイヤーは嘘の中に宿る真実を見つけることができるでしょう。
荒廃した大地と人の心を癒した、ワイルドアームズシリーズ屈指の名作です。
筆者の思い出

SRPG!ワイルドアームズクロスファイア!
アクセラレイトがとても強いシミュレーションRPG。
クラスのバランスが良く、戦闘前の解説から戦略を練れるのが癖になります。
ストーリーも熱くてキャラも見せ場が多くて非常に楽しめたタイトルです。
大人の事情があってこれ以降の新作はスマホ版しか出ておりませんが、
是非開発して欲しいなと思っています!
気になった方はプレイしてみてはいかがでしょうか。
ここまでお読み頂き、ありがとうございました。
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- カティナ・エレシウス
- メリッサ・アウィル
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- ルパート・スラッシャー
- レヴィン・ブランクイーゼル
- ラブライナ
- ログナー
- アイゼン
- エグララグ
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- エルゥボレア
- ロンバルディア
- ユグドラシルシステム
- 守護獣ガーディアン
- 災厄獣
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- シミュレーションRPG
- PSP専用ソフト
- シリーズ最終作
- 荒野と嘘の物語
- 嘘から始まる真実
- 光と影の姉妹
- 次元ゲート
- フィアースの決意
- クラリッサの成長譚
- ワイルドアームズシリーズ総決算

