はじめに
1992年の春。PCエンジン用SUPER CD-ROM²ソフトとして鳴り物入りで登場した
『天外魔境II 卍MARU』は、当時のゲーム業界に大胆な挑戦を投げかける一作でした。
前作『ZIRIA』で培われた和風演出+CD技術の延長線上にありながら、
さらに拡張された世界、深化した音楽、そして群像ドラマが本作を別格の存在へと押し上げています。
「火の一族」と「根の一族」の永き対立
少年・卍丸(まんじまる)の宿命
助け合いと裏切りが渦巻く冒険───
その全てが、焼けつくような情熱を伴って語られる。
遊ぶたびに胸の奥が震えるような、CD時代の王道和風RPGを、改めて振り返りましょう。
ゲームの基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| タイトル | 天外魔境II 卍MARU |
| 発売日 | 1992年3月26日(PC エンジン SUPERC D-ROM² 版) |
| 対応機種 | PC エンジン SUPERC D-ROM² 移植/リメイク:GameCube/PlayStation 2(2003年)/Nintendo DS(2006年) |
| ジャンル | ロールプレイングゲーム(和風ファンタジーRPG) |
| 開発元 | レッドカンパニー/アルファシステム(PC 版) |
| 販売元 | ハドソン |
| リメイク/移植情報 | 2003年に GameCube/PS2 にリメイク(フルリメイク) 2006年に DS 移植 PSP/PS3/PC エンジンミニ版等で再配信もあり |
| 音楽 | 久石譲、福田裕彦 |
| 企画・監修 | 広井王子(企画監修) |
| ディレクター | 桝田省治 |
ゲームシステムと特徴
🕰 定期イベントと語りの密度
本作は「30分に一度は大きなイベント発生」という謳い文句をもっており、
プレイ中に次々とイベントが割り込む演出が特徴的。
往来する町・フィールド・拠点において、待機しているだけで小話や背景説明が挿入され、物語の厚みを増します。
🎤 CD-ROM を活かした演出と音声表現
前作 ZIRIA と同様、声優による音声、アニメーションムービー、BGM/演出の強化が本作の武器。
24名の声優を起用、CD 容量をフル活用した豊富な演出と長時間の音声収録が売りとされます。
⚔ 戦闘システムと救済設計
戦闘はオーソドックスなターン制。
だが本作は難しめとされつつも、救済措置がいくつか備わっています。
例えば、主人公が「HP 0」で敗走してもお金を失わない、例外的な全滅リスク軽減がある点が前作からの調整です。
🌍 大規模マップと豊富な敵・ボス構成
本作のマップ数は膨大で、20,000 を超える画面数(オーバーワールド)を持つといわれています。
敵キャラクターは約 300 種類、ボスは 48 種類以上収録とされ、多彩な戦闘体験が保証されている設計。
攻略・プレイのコツ
⚔️ 「根の一族」との戦いは属性対策が鍵
敵の多くは「根の一族」に属し、火・水・風・土の四属性を操る。
相性を意識した術(忍法)を選択することで被ダメージを大きく軽減できる。
属性を軽視すると後半の「四大ボス戦」や根の城攻略で苦戦するため、早期に耐性装備を整えよう。
🧭 広大なマップはメモを取りながら進む
本作のフィールドは約2万画面以上とシリーズ最大規模。
ダンジョンの構造も複雑で、分岐や隠し道が多い。
特に「海の国」「天の国」では地形ギミックが増えるため、簡易メモを取りながら進むと迷いにくい。
🪶 イベントを逃さないことが真の攻略
「30分に1度のイベント発生」という設計どおり、特定のNPCの会話や行動で進行条件が変わる。
町を出る前にもう一度住民全員に話しかける癖をつけると、取り逃しを防げる。
一部のサブイベントでは強力な装備や忍法が入手できるため、寄り道を惜しまないのがコツ。
💰 全滅時は資金が減らない設計を活かす
本作は救済措置として、全滅してもお金が減らない。
このため、ボス戦での突撃チャレンジが気軽にできる設計となっている。
戦闘後の経験値効率を考え、危険な相手にも臆せず挑むと成長が早い。
🔥 忍法とアイテムの併用で安定度を上げる
「忍法:火炎」「大地の術」など、攻撃術と回復アイテムを併用して戦うのが基本。
序盤から「炎玉」「命の草」などを十分に持ち歩き、術ポイント温存を心がけよう。
終盤では忍法連携よりも道具の即応性が安定攻略のカギとなる。
💡 補足
リメイク版は戦闘速度の向上・グラフィックの刷新・ボイス追加などの変更があり、攻略バランスが異なります。
ここでの解説はオリジナルPCエンジン版を基準としています。
登場キャラの紹介
🔥 戦国卍丸(せんごくまんじまる)
本作の主人公。火の一族の末裔である少年。15歳。
父は根の一族に殺され、母・お春(おはる)との2人暮らしで育った。
東国の桜町に暮らす少年で、「火の一族」の末裔。
桜が咲くとき、根の一族が復活する──という伝承を聞き、旅立ちの時を迎える。
直情的で熱血漢だが、仲間を想う心は強く、後半では火の勇者として覚醒する。
🌸 絹(きぬ)
本作のヒロイン。鬼族の父と火の一族の母を持つ薄幸の少女。14歳。
父は鬼族の首領・酒天童子、母は火の一族の血を引く綾。
両親の死が原因で敵を傷つけることを極度に恐れ、「純潔の鎖」と呼ばれるアイテムで両手を縛り、
直接攻撃・攻撃系の術を自ら封印する。
白銀城で吹雪御前の発言から両親の死の真相を知り激昂。
封印を解き本当の名前表記が鬼怒ということを明かし吹雪御前を惨殺。
我に返ったあと鬼の力を見せたことを悔やみ、卍丸達を外へ転送し崩壊する白銀城と運命を共にしようとするが、
引き返してきた卍丸の言葉で思い直す。
⚔️ カブキ団十郎(カブキだんじゅうろう)
自称「ジパング一の伊達男」。19歳。尾張のヘビ仙人の弟子。
自分が目立つために根の一族と戦う。
自分の都合で勝手に仲間に加わったり外れたりする極端なエゴイスト。
おまけに女好きの派手好きで、使用する術も効果より見た目優先。
しかしその実力は高く、人並み以上の情の持ち主でもあり
自らをかばった三太夫の犠牲を目の当たりにしたことで、
最終的には戦う動機が「目立つため」から「根の一族に対する怒り」に変わっている。
🐚 極楽太郎(ごくらくたろう)
1000年前の火の一族と根の一族との戦争の生き残り。1024歳。越前の押水村出身。
恋人の人魚「千代」の涙を飲むことにより1000年の寿命を得るが
その罪により人魚らの手で992年もの間投獄されていた。
非常に大柄な人物で、その体型から着けられる装備品は少ない。
1000年前は主に、千代が装備品をあつらえていたとのこと。
体型も大きいが怪力もすさまじく、卍丸にはどうにもできない岩を軽くぶっ飛ばすことができる。
しかし人魚村に投獄された檻には、特殊な封印がかけられ、さすがの怪力でも脱獄出来なかった。
🕊 ヨミ
宇宙の創造主の命により、宇宙の彼方よりやって来た男神。
強さとは不屈の闘争心と考え、根の一族を創造した。
眠っている間などは青い巨大な繭のような形状である。
三博士の時間稼ぎにより、繭はだんだんと大きく成長する。
👁 マリ
宇宙の創造主の命により、宇宙の彼方よりやって来た女神。
強さとは他人を労わる優しい心と考え、火の一族を創造した。
最終決戦の後、卍丸たちにヨミも知らないある真実を語り聞かせる。
ストーリーとあらすじ
🌌 神々の誕生と使命
宇宙のはるか彼方、造物主の意思により二柱の神──マリとヨミが生まれた。
その役目は強き生命を生み育てること。
やがて地上へ降臨し、ジパングの前史へと物語は繋がっていく。
🏘 日常が裂けるとき
火多の国、白川村で育つ少年 卍丸。
大人たちの怒号も、母親を狙う視線も、幼い日常の一コマ。
彼を逃がした母と共に向かった高山村の祭りが、運命の転機となる。
突如現れた暗黒ランが大地を裂き、根の一族の死神兄弟が母と村人を人質に卍丸を挑発する。
🗡 最初の戦いと真実の告白
両面窟で待ち受ける死神兄弟・ツノ王を撃破し、母を救出。
家に戻ると、母は過去の歴史と卍丸自身の宿命を語る。
───千年前、七人の勇者と七本の聖剣、根と火の因縁。
父は根の一族に殺され、卍丸にも火の一族の血が流れている───
そう告げられ、旅立ちを決意する。
🚩 仲間と出会い、試練の道へ
尾張、伊勢、越中など各地を巡る旅路。
十三人衆の死神兄弟との抗争、偽りと裏切り、そして変貌するダンジョンや幻城。
やがて現れる仲間───派手好きのカブキ、重きを抱えた極楽太郎、封印を抱える絹など。
共に歩む中で、暗黒ランを切る数が刻々と減っていく。
物語の展開と結末
⚖️ 死神将軍との決戦
鬼骨城で死神兄弟が復活し合体、死神将軍と化して卍丸に挑む。
聖剣の力と仲間の支えでこれを打ち倒し、最初の暗黒ランを切る。
ここから、残る暗黒ランを巡る壮大な旅が幕を開ける。
🌴 密林城の謎、菊五郎の罠
伊勢の密林城では、城そのものが生きているような仕掛けが待つ。
菊五郎は城と一体化しており、巨大な樹木化と怪異を駆使して卍丸を翻弄。
知恵と力を振るって彼を討ち、聖剣を使って暗黒ランを断つ。
🐉 最後の暗黒ラン、ヨミ復活
七本目の暗黒ランを切った直後、邪神ヨミが復活。
ヨミとマリは、根と火、神と人間の混ざり合った生命の可能性を前に「神の介入の終焉」を選ぶ。
二柱の神は宇宙へ戻り、残された者たちの選択に世界を託す。
🏮 笑顔の帰還と新しい時代
ヨミの復活と封印後、死者は復活し、国々に笑顔が戻る。
卍丸は両親、勇者たちとともに歓びを分かち合い、カブキたちは己を磨く旅へ。
ジパングには新たな季節が訪れ、物語は未来へと続いていく。
感想・評価
🌟 高く評価されたポイント
・イベント密度の高さ:「30分に1度イベントが起きる」と銘打たれたテンポの良さは、RPGの常識を覆す完成度。
・CD-ROMの表現力:豪華な音声演出とアニメーションが、当時としては桁外れの没入感を実現。
・群像劇としての深さ:卍丸・カブキ・極楽太郎・絹の心情描写が重層的で、物語の熱量を支える。
・BGM・主題歌の完成度:久石譲が手がけた壮大な楽曲群が、ストーリーの情感を一層際立たせる。
🤔 一部で指摘された課題点
・マップの広さとイベント数の多さが裏目に出て「中盤以降やや冗長」と感じるプレイヤーも。
・エンカウント率が高く、戦闘テンポの重さが一部で不満の声に。
・PS2/GCリメイク版ではテンポ改善が図られたが、グラフィック演出の方向性には賛否あり。
・バグ報告も一部存在し、オリジナル版ではセーブ関連の不具合が話題になった。
🗣 プレイヤーの声
- 「CD-ROMの力をここまで使い切ったRPGは他にない」
- 「久石譲のBGMだけで泣ける。まるで映画」
- 「卍丸の旅立ちに胸が熱くなった。カブキとの掛け合いも最高」
- 「30年経っても、この作品の熱だけは色褪せない」
まとめ・今から遊ぶ人へ
『天外魔境II 卍MARU』は、1990年代初期にしてシナリオRPGの完成形を体現した一作です。
圧倒的なボリューム、情熱的なキャラクター、そして「和」の神話的世界観───どれを取っても唯一無二。
ジパングを舞台にした旅は、笑いあり涙あり、そして壮大な結末へとプレイヤーを導きます。
🎮 こんな人におすすめ!
・昔ながらの王道RPGに浸りたい人
・重厚なストーリーと和風ファンタジーが好きな人
・久石譲の音楽や壮大な演出が心に響く人
・テンポ良く進むイベント主導型の作品が好きな人
卍丸の旅路は、ただの冒険ではなく生き様の物語です。
CD-ROMの幕開けを告げたこの傑作が、今なお多くの人の心に灯をともしている───
それこそが本作の真の魔力でしょう。
筆者の思い出

和風RPG続編!天外魔境2!
相変わらずハードを活かした大ボリュームは健在。
特に30分に1回発生するイベント、フルボイスのムービーやキャラクターが要所要所で喋るのは衝撃的でした。
ロードも前作と比較するとだいぶ軽減されていました。
全滅リスクが軽減された為か、全体的にMOBが強くてレベル上げを頑張っていた記憶があります。
ストーリーは重めというか、生々しい描写も多くて当時は理解できない事も多かった印象。
しかし前作よりも胸に響くシナリオや
個性あふれるキャラクター達もよりパワーアップしており、非常に楽しくプレイ出来た作品でした。
気になった方は是非プレイされてみてはいかがでしょうか。
ここまでお読み頂き、ありがとうございました。
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